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■なんば・ぱーくす【なんばパークス】

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ビルや高速道路が建ち並ぶ街中に突如として現れる「緑の丘」。 その「緑の丘」は、大阪ミナミにある「なんばパークス」である。なんばパークスは、南海ホークス(現・福岡ソフトバンクホークス)のホームグラウンドであった大阪球場の跡地に開発された大規模商業施設である。球場があった頃のその界隈は、僕らの世代の大阪っ子にとって、野球観戦やコンサート、アイススケートなど、子供の時から「記憶に残っている場所」でもある。その思い出の場所に「緑の丘」が完全な姿を見せたのは、5年ほど前の秋だったと思う。建設中から丘の形がなんとなく見え始め、その丘にたくさんの緑が植えられていく様子を眼にしていた。丘の中はいったいどんな風になっているのだろうとワクワクしていたのを覚えている。 オープンして間もなく訪れた「緑の丘」は、それまで体験したことのないような場所であった。丘の真ん中が切り開かれたようなキャニオン(渓谷)の両側には、ショップやレストラン、カフェなどが雛壇状の崖に埋め込まれるように並んでいて、見上げると壮観であった。さらに、丘の上、すなわち建物の屋上には、建設中に街から見えていた鬱蒼とした森が広がっていて、まさに公園のような場所であった。その「パークスガーデン」は地上部から段丘状に伸びていて、森の中を巡っていくとちょっとしたハイキング気分になる。その道行きの途中途中に、カフェやレストランが顔をのぞかせたり、花の咲き誇る休憩スペースやパフォーマンスで盛り上がっている円形劇場などに出会ったりする。今春、増築されて、森の中で佇めるベンチのある階段状のテラスや森の水族園をテーマとした木製遊具のある遊び場などがさらに付け加わり、都心の屋上公園として完成した。 その後も、遊びや仕事の都合で定期的に、なんばパークスを訪れている。平日の昼間は子供連れのお母さん達、夜は仕事帰りのOLやカップルで賑わい、休日には、多くのファミリー客で賑わっている。一年を通じて、森の様相の四季折々の移り変わりとともに、それらの人々が思い思いに森の中のあちこちで、佇んだり、買い物をしたり、遊んだり、イベントを見たりしている歳時記のような森の風景がとても印象的である。僕が小学生の頃ホークスの応援に初めて行き、中学生の頃初めてのデートで行ったあの「憧れの場所」が、20年の時を経てその姿を変え、もっと多くの様々な人々の「憧れの場所」となっているのを眼にすると、感慨深さと同時に少し不思議な感じもする。どちらにせよ、この場所が未来に向けて、人々の「記憶に残る場所」となり得ているのは確かである。(文と絵:澤木光次郎 OSOTO v.05 掲載)

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